10周年の今年はオンラインで!
OSC2020 Online/Hiroshima開催レポート
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2020年9月19日(土)にOSC2020 Online/Hiroshimaが開催されました。
いつもなら牛めしを提供するお店が近い会場で行っていましたが、今回はオンラインということもあり、地域の壁、距離の壁、天気の壁(?)を乗り越えて広く参加していただくことができました。
準備期間には、広島のスタッフが事前に他地方の開催で運営を経験したり、スタッフ間ではチャットツールなどで密に連携することができました。当日は多少のトラブルはありましたが、無事に終えることができました。地元企画の就活Q&Aや学生LTなど、地域性も打ち出せ、かつ学生が取り組んでいることなど広島らしさを出すことができ、良かったのではないかなと思います。
開催のまとめ
開催日:2020年9月19日(土)
会場 :オンライン(Zoom/YouTubeチャンネル)
→セミナー(2トラック、15セッション)ミーティング(1トラック、7セッション)
→Twitter:#osc20hi
→展示ブース(5団体)
→セミナー動画(YouTubeチャンネル)
→セミナー資料(まとめ)
壁紙
OSC広島10周年記念のオリジナル壁紙ができました!
今回は、広島国際学院大学 情報デザイン学科4年(岡川卓詩 研究室)の古谷 澪さんが作成してくださいました!
(古谷さんからのコメント)
10周年ということで、歴代キャラを集合させました。新しいキャラクターは、
ロゴマークをモチーフとした双子の男の子でデザインしました。この壁紙が、
少しでもオープンソースに興味を持つきっかけになればよいなと思います。
セミナー
広島スタッフが、いくつかのセミナーをレポートします!
DockerコンテナからKubernetesとOpenShiftまで要点解説
担当:CNBF(Cloud Native Bright Future)
講師:高良 真穂(CNBF運営委員)
最近話題のDockerやKubernetesに関するのセッション。Dockerは多くの場所で使われるようになってきましたが、KubernetesとOpenShiftに関して非常にわかりやすく、かつどの点が違うのか、互換性などについて初めての人でもイメージがしやすく解説されました。今後、Webアプリケーションを開発する上でこれらの技術はベンダー問わず利用できるものとして、普及していくなかで、非常にまとまっていました。
地理情報を爆速で処理するPG-Stromの新機能〜GPU版PostGISとそれを支えるストレージ機能〜
担当:ヘテロDB株式会社
講師:海外 浩平
GPUをNVME/PMEMと使ってテラバイト級データを高速処理を行うPostgreSQLの拡張モジュール(PG-Strom)で、地理情報(PostGIS)を処理する集計・解析処理を行うための新機能紹介。
ジオメトリ関数の説明が分かりやすかったです。GPUを使っていSQLの処理をさせようという発想自体が面白いのですが、計算量の多いジオメトリデータをGPUで処理させるというのは目から鱗の発想だと思いました。
しかもこの機能が、AWSやAzureで使えるという事で、ハードウェアのハードルが下がるので、試してみたくなりますね。
NetBSDのご紹介
担当:日本NetBSDユーザーグループ
講師:蛯原 純(The NetBSD Project/developer)
今回は、これまでの事をまとめた内容と最新動向の話がありました。
OSC広島では、NetBSD/x68k(X68000) を中心に NetBSD/luna68k(LUNA) などの
様に68系CPUのマシン展示やXM6iエミュレータなどが印象的でした。
Lunaのエミュレータあたりから始まり、Sun3/60, ARM系CPUのPINEBOOK, Rasberry Pi の
最新動向(NetBSD 9/10やOPenBSD 6)、さらに過去の発表や現在の課題も加え目一杯詰め
込んだ状態でのセミナーになりました。
実機の展示が無いが(輸送のリスクもないかな)、各マシンやエミュレータの画面イメージなどの工夫した状態で、BSDの今を伝えていたきました。
LPIC-1を取得しよう!深掘りシリーズ第三弾 ファイル検索と正規表現
担当:Linux Professional Institute (LPI) 日本支部
講師:岡田 賢治(株式会社ネットマイスター)
クラウドが進む中でも開発が始まったときには切っても切れないコマンド操作と正規表現。特に正規表現はファイル探索やエディタで文書などの整形を行うときには必須の技術。普段、なにげに使っていますが、基本的なところから気をつけるべきポイントなど内容が盛り沢山でした。特に、*がDNSではワイルドカードであることに対して、正規表現では異なることがハマりやすいポイントと強調されていたように思います。Linux以外でも正規表現は数多くの場所で使われる技術のため、アーカイブをみて復習したいですね。
Neo4jでHiroshimaのCOVID-19データを管理し解析する
担当:Neo4jユーザグループ
講師:案浦 浩二
Neo4Jを使ったCOVID-19の感染経路、広がり方の分析。
データを1件ずつ手動で名寄せするようなデータメンテナンスが大変そう。2月から1日も休みが無い。。。
東京から沖縄に来た人から、あっという間に感染が広がった、という図が一目でわかるという、
GoToキャンペーンの将来が危惧されるデータ分析もありました。
【広島特別企画】コロナ禍の今、卒業生が学生の不安に答えます
担当:オープンソースカンファレンス広島実行委員会
講師:中四国出身の社会人エンジニア
コロナ禍の中、IT業界への就職活動をしようとする学生たちに先輩からのアドバイス、という形でパネルが行われました。
IT業界はリモートワークへ相性が良く、コロナの前後で働き方が大きく変わったという事は東京も広島もほとんどないことが分かりました。
【広島特別企画】学生LT大会
担当:オープンソースカンファレンス広島実行委員会
講師:広島の学生有志
広島県内の学校に在学している学生さんによるLT。今やっていることから言語、ハニーポットなど多種多様なジャンルが取り上げられていました。興味をもったところから実際に取り組まれていることなど、非常に聞いている側からしてもユニークな内容が多く、学生でも大人顔負けの内容もあり、盛り上がったのではないかなと思います。
それぞれの発表内容は以下のとおりです。
「自作言語コンパイラを使った話」河野 雄也(広島市立大学情報科学部情報工学科2年)
中学生の時から言語を作っておられたとのことで、コンパイルの基礎から作られていました。
「OSSのハニーポットでインターネットからのお客様(攻撃者)の方々を観察してみた」濱本 遙香(ノートルダム清心中学校 3年)
一から勉強して、T-Pot、Elastic-Serarch、Kibanaを使ったシステム構築から結果、分析まで科学研究の発表。来年も楽しみです。
「PHPのオープンソースフレームワークLaravelについて」田添 春樹(広島工業大学 2年)
Laravelとコミュニティを紹介されました。
「コミュ障が生徒会長になってしまった話」松尾 龍弥(広島工業大学情報学部知的情報システム学科 3年)
「人は集まると動かない」、というのは名言だと思いました。
「コロナ禍でバイトできなくなったから3Dモデルを売ってみた話」安部 貴弘(広島工業大学情報学部知的情報システム学科 3年)
バイトがないからと言って3Dモデルを作って売る、という発想は面白いと思いました。
新しい仕事になるかもしれませんね。
懇親会
今年はオンライン開催ということもあり、Zoomを用いた懇親会を行いました。
自宅から、ということもあり、皆好き好きのお酒とつまみを用意して終始盛り上がりました。また、最初にはZoomのブレイクアウトルームを用いて参加者同士の自己紹介やOSCの感想など盛り上がり、最後まで楽しんでいただけたようです。
終わりに
今年はオンラインということもあり、直前まで開催するかどうするか悩むこともありました。しかし、10周年やこの状況下で自分たちがどのようなことができるのか、ということを考えたときにオンライン開催を行うことにしました。
はじめての試みということもあり、色々と大変なこともありますが、準備や発表、運営など良い経験ができたのではないかなと思います。
これを機に、広島の他のコミュニティも動きが活発になっていければいいな、と思っております。来年こそはリアル会場の展示も交えつつ、今回のようにオンラインの良さも生かした開催ができればいいなぁと思っています。
今年参加いただいたみなさま、ありがとうございました。スタッフの方は来年も引き続きよろしくおねがいします!
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OSC2020 Online/Hiroshima 実行委員
大杉、三谷、丸市
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