2019年ラスト開催「OSC2019 Tokyo/Fall」無事に終了しました!
01/06
OSC News, OSC開催レポート No Comments
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2019年11月23日(土)・24日(日)に明星大学でオープンソースカンファレンス2019 Tokyo/Fallが開催されました。
■開催のまとめ
来場者数 : 11/23(土) 約500名・11/24(日) 約330名、合計 約830名
参加団体数 : 89(企業/団体 27、コミュニティ 62)
展示ブース数 : 78(企業/団体 27、コミュニティ 51)
セミナー数 : 72(1日目 45、2日目 27)+LT 2
コミュニティ企画 : 2(2日目に実施)
Twitterハッシュタグ:#osc19tk
→ 展示ブース一覧
→ セミナータイムテーブル(11/23-土)
→ セミナータイムテーブル(11/24-日)
=展示ブース=
78の団体が出展し、2階2部屋、3階5部屋で開催した展示。
→ 展示ブース一覧
2階は協賛・後援団体がメインの展示会場です。
ブースで熱心に話し込んでいたり、デモを体験したりと、賑わっていました!
(左)Photo by:tishimoto
コミュニティ展示の部屋も、いつものように楽しいやりとりがされているようでした。
▼書籍販売ブースと書籍展示の部屋
会場限定割引や購入特典などもあり、沢山の方が立ち寄っていました。
書籍販売のブースは前回より増えて、4社が出展されていました。
(オライリー・ジャパン/翔泳社/リックテレコム/テッキーメディア)
メディアスポンサーから提供された見本書籍も多数展示されました。
▼OSC&ジュンク堂 特別連動企画「今読んでほしいOSS関連書籍
OSCとIT技術書の豊富な品揃えで有名なジュンク堂の連動企画です。OSCのメディア協賛各社より、「今読んで欲しいOSS関連書籍」として5冊ずつ推薦していただきました。
→推薦書籍リスト
OSC東京の会場内で展示された他、ジュンク堂池袋本店6Fの特設コーナーに年内いっぱい陳列販売されました。
→フェア情報【6FPC】OSC&ジュンク堂書店池袋本店
▼コミュニティの個別展示
今回も、メインの2部屋の他に、別の部屋に分かれて行っていた展示がありました。
「Analog&RaspberryPi電子ギーク団」と「ラズパイオーディオの会」はオーディオ関連の展示です。
▼コニカミノルタの展示
セミナーで発表された機器が展示されていました。また、ランニングフォームを改善する機器も好評でした。コニカミノルタ様の展示物は群を抜いてレベルの高さを感じました。
=セミナー=
企業、団体、コミュニティが実施したセミナーから、いくつかご紹介します。
→ セミナータイムテーブル(11/23-土)
→ セミナータイムテーブル(11/24-日)
→ セミナー資料公開(一部)
「ストレージもSoftware Definedな時代です。OpenSDS,始めてみませんか」
担当:Cobalt Users Group/Project BlueQuartz
講師:伊藤 正宏
SDS(ソフトウエアディファインドストレージ)について講師の伊藤氏から丁寧な解説がありました。現在、企業は、ストレージの大きな課題に直面しています。高コスト、ストレージのダウンタイム、移行の複雑さ、メーカーごとの管理コンソールの違い、データの飛躍的な増加などエンジニアを苦しめています。物理ストレージを仮想化および管理する技術がSDSで、それらを管理するソフトウェアコントローラーがSDSコントローラーと呼ばれています。既存のすべてのストレージを単一の管理コンソールのもとで統合および管理できることを目指しています。エンジニアは、管理の煩雑さから解放される時代になってきました。いろいろなストレージ製品の管理方法を覚えなくても済む時代を作っているのが、OpenSDSという団体でした。OpenSDSは、SODAという団体名に変更された発表もありました。
「Linux国際標準認定LPIC-1 V5.0学習のポイント 」
担当:Linux Professional Institute日本支部
講師:岡田 賢治
DevOps関連のツールの話しなどをして頂きました。そもそもインフラエンジニアだからGitやDockerが使えませんという時代ではなくなりました。これから仕事がなくなったという事が無いように勉強していきましょうという厳しくも温かい講師の言葉が印象的でした。
「でるか、Raspberry Pi 4、驚異のスペックとそのご紹介」
担当:Japanese Raspberry Pi Users Group
講師:おおた まさふみ(代表)
Raspberry Pi 4が過去の製品とはどのように違うのか?Raspberry Pi 4には何が必要なのか?適正な値段はいくらか?などの説明して頂きました。新規のPi4は性能が大幅に向上されました。高性能な64-bit クアッドコアプロセッサを搭載され、過去のRaspberry Pi より優れたマルチメディア処理性能の他に、メモリも増加しました。その為、CPUの温度が過去の製品より上がってしまいRaspberry Pi4の性能を全て発揮するには、ヒートシンクもしくは冷却ファンが必要、どのような製品が良いのか?例などをあげて解説を頂きました。また、製品の適正な値段の発表なども印象的でした。
「オープンソース入門」
担当:オープンソースビジネス推進協議会(OBCI)
講師:吉田 行男(OBCI事務局長)
オープンソースビジネス推進協議会(OBCI)がどのような活動をしているか?の説明。オープンソースの目的などを分かりやすく解説頂きました。
「OSS のコンテナオーケストレーションツール Kubernetes のご紹介」
担当:SRA OSS, Inc. 日本支社
講師:盛 宣陽
Kubernetes関連の説明をして頂きました。
Certified Kubernetes Administrator (CKA) 試験
Certified Kubernetes Application Developer(CKAD)試験
などの試験の説明もして頂きました。
「Unityで作る!ドコモAIエージェントAPIを使ったアプリ作成ハンズオン」
担当:株式会社NTTドコモ
ドコモAIエージェントAPIを使ったアプリ作成ハンズオンが開催されました。
マンツーマンで教えてくれる素晴らしいハンズオンでした。
「スキルアップのための仮想マシン活用入門 ~LinuxをインストールしてWebサーバーを動かそう~」
担当:特定非営利活動法人エルピーアイジャパン
講師:宮原 徹(株式会社びぎねっと 代表取締役社長)
入門編という事で初心者にも分かるように解説をして頂きました。
LinuC[リナック]試験の出題範囲についてなども教えて頂きました。
「コンテナのセキュリティについて考えよう」
担当:myzkstr.com
講師:宮崎 悟
例えば、Kubernetes(k8s)コントローラで関連しないサービスを動作させた場合は、ノード間ネットワークは暗号化されても個々のネットワークブリッジ通信は暗号化されていない。サービス間でネットワークを分離するにはk8sコントローラを分離しないといけないなどとても詳しい技術説明がありました。
「IT技術書ビブリオバトル in OSC」
司会:長田 絵理子(翔泳社)・大神 祐真(へにゃぺんて)
登壇者:松澤太郎、大神祐真、よしおかひろたか、職業「戸倉彩」、ふくしま はやと
元マイクロソフトのAzure公式キャラクターのクラウディア窓辺で有名な戸倉彩さんが登場、登壇者5名が自分が好きな本の特徴と感動したポイントなど発表。白熱のバトルが開催されました。
「婚活の本音と最近の事情 ~ あなたに必要な婚活を一緒に考える」
担当:株式会社オミカレ
講師:曽根 壮大
「株式会社オミカレ」という婚活サイトのCTOである曽根さんが婚活サイトの使い方や女性とのデート方法、話し方など詳しく教えてくださいました。
正直、ITエンジニアの独身率は高いと思います。という事もあり、婚活サイトなどを活用して、結婚できるように動くことは大事だと感じました。株式会社オミカレさんが、ITエンジニア特化の特集などをしてくださると嬉しいですね。
「ウェブ開発の現場から~日本語と国際化のはざまで」
担当:html5j
講師:himorin
日本語でウェブを利用することは縦書きのサポートなどの最近のアップデートによりいろいろな表現が可能となってきました。講師のhimorinさんは、W3Cという団体に参加されている方です。
W3Cとは「World Wide Web Consortium」の略称で、Web技術の標準化を行う非営利団体の名称です。W3Cでは、Webで使用される技術を標準化し、よりスムーズな開発や品質向上を目標に活動が続けられています。 その標準化の現場から、日本語表現の実現や国際化に関係するトピックをお届けくださいました
「NNgen: ディープニューラルネットワークのモデル特化FPGAハードウェアを生成するオープンソースコンパイラ」
担当:コニカミノルタ株式会社
講師:高前田 伸也(東京大学 大学院情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻 准教授)
深層学習(ディープラーニング)などの認識・判断処理のアクセラレータを,組み込みシステムで実現するプラットフォームとして、回路構成の変更可能なハードウェアであるFPGA (Field Programmable Gate Array)が注目されている。本セミナでは,コニカミノルタ株式会社との共同研究で開発し,オープンソースとして公開しているFPGAアクセラレータ向け高位合成コンパイラ「NNgen」を紹介してくださいました。
ディープラーニングやFPGA、高位合成などに興味がある人が集まっていましたが、高前田准教授のレベルの高い講義に参加者全員感動していました。
「cybozu.comを支えるOSS・2019秋」
担当:サイボウズ株式会社
講師:風穴 江(サイボウズ株式会社)
サイボウズ株式会社が、自社のクラウドサービス「cybozu.com」のために開発し、実環境で利用しているオープンソースソフトウェアを紹介してくださいました。
セッション情報管理をしているyrmcds、透過 SOCKS プロキシを実現するツールのtransocks、モニタリングツールのgoma、nginx、Jetty、kintone、Solr、MySQL、WaLB、Hadoop、Hive、HBase、Presto、Redashなどについて詳しく説明をして頂きました。
「Kubernetesの良さを活かして開発・運用!」
担当:てっき~メディア/株式会社サイバーエージェント
講師:中西 建登, 桐井 祐樹
Cluster APIによるクラスタ構築・管理などについてなど説明がありました。OSCブースで「てっき~メディア」さんが今回のセミナー内容が書かれている「はじめるCluster API」という本を販売していますと宣伝もして頂きました。レポート筆者の小林も購入させて頂きました。
「再:自宅サーバーを始めてみよう!」
担当:Future Versatile Group/MyDNS.JP
講師:T.Kabu(代表)
Future Versatile社の蕪木氏から「再:自宅サーバーを始めてみよう!」ということで、初心に戻って、自宅でサーバーを構築して運用することで、基本的な技術を身に着けることを提案頂きました。
なぜこのようなセミナーを開催されたのか?と蕪木氏から説明がありセミナー参加者は聞き入っていました。
開催理由は、現在、VPSやクラウド(AWSやAzure、GCP)ばかりで、実際のサーバーやネットワーク機器を触ったことがない、というエンジニアが増えてきたと実感したからとのことです。
やはり時代に乗るという事は大事ですが、サーバーはコンテナだ、自動化だ、ネットワークもソフトウェアだと言う時代になり、物理をいざ触り構築しなければならない場面になった際に物理サーバーやネットワーク機器を構築できないエンジニアが増加傾向にあることをレポート担当の小林も感じていました。
いきなり触るには求められる技術が高すぎて、クラウド技術からエンジニアを始めた方は、敬遠しがちかと思いますので、「再:自宅サーバーを始めてみよう!」は若いエンジニア様にはとても良いセミナーだと感じました。
「AI時代の必須知識!計量社会科学で数学の楽しさを学ぼう」
担当:中央大学 飯尾研究室
講師:飯尾 淳
飯尾教授から計量社会科学とは何か?そして、計量社会科学の具体的な事例としてOSSとして公開・提供されているTWtrendsというシステムを紹介し、そのなかで使われているアルゴリズムを懇切丁寧に解説して頂きました。
「ITエンジニアが誤解している2020年度からの「小学校プログラミング教育」」
担当:さくらインターネット株式会社
講師:前佛 雅人(さくらインターネット株式会社 学校支援プロジェクト プロデューサー)
2020年度から小学校で「プログラミング教育」が必須化になりますが、ITエンジニアの間では、プログラミング教育が始まるのはご存じでも、誤解されたままの状態が続いています。プログラミング言語そのものを授業で学ぶものではないということを分かってもらうため、実際にどのようなプログラミング教育が実施されるのか、どのような課題があるのか?を教えて頂きました。
また、さくらインターネット社は、「さくらの学校支援プロジェクト」として北海道石狩市の小学校で授業形態や指導方法などを検討するための「プログラミング教育出前授業」をCSRの一環として2017年より実施しているそうです。教員研修講師として石狩市の実践事例を北海道内各地で紹介するなど、これまでに石狩市をはじめとする北海道内の9市町で活動を行ってきています。さらに大阪府門真市教育委員会に協力し、門真市内の全14の小学校で「プログラミング教育出前授業」を2019年11月より実施しているなどの発表もありました。
=スタンプラリー&アンケートのくじ引き=
展示ブースに設置されているスタンプを集めると、OSPN.JPオリジナルグッズがもらえるスタンプラリー。今回は特製の生成りポーチでした!
出展者からのノベルティグッズなどが当たる人気のくじ引きコーナーは、来場者アンケートを提出すると参加できます。
=懇親会=
1日目の夜に大学内の学食で行われた、懇親会。
約200名の方にご参加いただきました。
=最後に=
ご来場いただいた皆さま、出展いただいた皆さま、ボランティアスタッフとしてお手伝いに来てくれた学生スタッフの皆さん、ありがとうございました。
またいつも会場をご提供いただいている矢吹先生はじめ明星大学情報学部関係者の皆さま、ありがとうございました。明星大学での開催は、今回までとなるそうです。長期にわたって会場をお貸しくださった明星大学の関係者の皆さま、本当にありがとうございました。
次回、OSC東京は2/21-22に駒澤大学で開催予定です。
OSC2020 Tokyo/Springでお会いしましょう!
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小林 充雄
OSCスタッフ/クロテック
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