オープンソースカンファレンス2019 Nagoya
開催レポート!
08/07
OSC News, OSC開催レポート No Comments
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レポートを担当させていただきます H.Hiro です。
オープンソースカンファレンス2019 Nagoyaにお越しの皆様、ありがとうございました。
■開催のまとめ
開催日 :2019年7月13日(土)
会場 :名古屋市中小企業振興会館
来場者 :約500名
セミナー:41コマ
展示 :49ブース
ハッシュタグ:#oscnagoya
→ 展示ブース一覧
→ セミナータイムテーブル
→ 発表資料まとめ
4年目となる名古屋市中小企業振興会館での開催でした。
今年は例年と異なり、正面入口から左ではなく右へ案内され、、、
▼らせん階段で2Fに上がり
<名古屋での独自企画の紹介>
よりOSCを楽しんでもらいやすくする・盛り上げるべく、現地コミュニティのメンバーによる企画も実施されました。
1)コンシェルジュブース
来場者がOSCを見て回りやすいよう、出展内容の案内などを行うためのブースを設けていました。名古屋についての情報も提供。
2)出展ブース紹介ライトニングトーク
ブースの出展者に、短時間で展示内容を紹介(ライトニングトーク形式)してもらうことで、多くの展示の情報を一挙に知ってもらおうというものでした。
▼LT発表の様子(左)展示ブースの一角にあるオープンスペース(右)
なおこの企画は、名古屋では恒例となった、展示ブースの一角にあるオープンスペースで実施しました。
3)ブース内容アイコン表示
各ブースの活動ジャンルが一目でわかるよう、アイコンとして表示するというものでした。
このアイコンを各ブースに置かせていただきました。例えばこちらのブースは、コミュニティで、Linuxを主に取り扱っている、ということになります。
4)「企業・コミュニティに聞きたいこと」ボード
参加者がどんなことが気になっているのかを集め、うち一部は閉会式LTで紹介されました。返答もOKとなっていて、コメントが付いているものも多く見受けられました。
いくつかの質問とそれに対する回答を画像で紹介させていただきます。
(付箋の画像はクリックで拡大します)
回答をやり取りした方はもちろんのこと、これらのやり取りを見て「他の方もこんなことを気にしていたんだ」「実はこんな仕事の仕方も…」というのを感じた方もいたのではないでしょうか。
5)リリーのポスターとステッカー
OSC Nagoyaのキャラクター「リリー」が今年も案内。
ポスター画像はこちらからダウンロードできます。
<セミナー>
今年は全41件のセミナーが実施されました。このうちいくつかをご紹介します。
- 同社では「IntelliJ IDEA」をはじめとしたJetBrains社のIDEの販売やサポートを行っています。コーディングの利便性ももちろんのこと、テストの実行やコードレビューなど、ツールが大事と言われるアジャイル開発にも対応していることをデモも交えて示していました。
- 同社では主にグループウェアなどのクラウドサービスを提供しています。同社ではオープンソースソフトウェア(OSS)を多用しており、既存のOSSに改良を加えることや、新たにOSSを公開することもしばしば行っています。このような事例が増えたことから、OSSポリシーを策定して適切な利活用を勧めているとのことでした。
- 自由に使える地図を作るためのプロジェクト「OpenStreetMap」。OpenStreetMapを使うアプリが増えると、それだけデータ作成に携わってくれる人も増える好循環がある、ということが述べられていました(例えば、IngressでOSMが採用されたことで増えたということも)。また地図データこそフリーではあるものの、地図を表示するためのサーバリソースは無料というわけではなく、それぞれ用意する必要があるという注意点も述べられていました。
- 当時の会報などをもとに当時のできごとを説明されていました。PC-UNIXの広まり、Webブラウザ「Mosaic」の登場など、当時どのような技術が出てきて技術者たちがどう感じていたのかが伝わってくる発表でした。また当時はテープメディアを渡すことでOSSを配布するということが行われており、その実物を見ることもできました。締めくくりの言葉:「今の流行も、20年後は歴史講座の題材」
山本 裕介氏(株式会社サムライズム)
“アジャイル・多言語開発時代のJetBrains開発環境”
風穴 江氏(サイボウズ株式会社)
“cybozu.comを支えるOSS・2019夏”
坂ノ下 勝幸氏(OpenStreetMap Japan)
“自作アプリに使える「自由な地図」のススメ”
法林 浩之氏・榎 真治氏(日本UNIXユーザ会)
“平成生まれのためのUNIX&IT歴史講座 〜1990年代前半編〜”
<ハンズオン>
今回はハンズオンも1件開催されました(「ドコモAIエージェントAPIを使ったお喋りデバイス作成ハンズオン」)。音声認識も音声合成も可能であり、話した内容にどう反応するかをブラウザ上で作成し、パソコンのマイクに話しかけると声で返事が返ってくる、というアプリを作ることができます。設定がなかなかうまくいかない参加者もいましたが、講師の方々のサポートで進めていっていました。
<展示ブース>
ブースをいくつかご紹介します。本当に多くの企業・団体が多種多様にOSSを活用しています。
サイボウズ株式会社
提供するサービス「kintone」について、社員の方がそれを題材にした技術同人誌を作成しているとのこと。
名古屋*BSDユーザグループ様 & 日本NetBSDユーザーグループ
OpenBSDを、LUNA-88K2という1992年発売のコンピュータで動かしていました。テープメディアのドライブもある…!
DonkeyCar@名古屋電子工作の会
この「DonkeyCar」という小さな自動車、人がラジコンで動かしたときのカメラ映像をもとに運転を学習し、自動運転しています。
OSSコンソーシアム
OSSについて多岐にわたる活動をされていますが、その中でも今回は、プログラミング授業でドローンを飛ばすことを扱ったデモでした。Scratchで制御ができます。
株式会社デージーネット
オンラインで仕事をしたりするのに重要な、チャットやビデオ会議。これをOSSで行う「Rocket.Chat」「Jitsi」といったソフトウェアについて紹介されていました。
OWASP Nagoya chapter
ソフトウェアセキュリティについて情報共有・啓発を行うコミュニティで、写真はWebアプリケーションのセキュリティでよく問題になる例を集めた冊子です。表紙が蜂なのはWASP=蜂という意味とのこと。
小江戸らぐ
小江戸は埼玉県川越市のこと。活動はほぼ毎月、同人誌「Linux User」も定常的に発行しており、非常に活発なコミュニティです。
東海道らぐ
本当に東海道沿線全体が活動範囲です。名古屋地区でも頻繁にイベントを開催しています。配布しているシールが多すぎ!
株式会社アトミテック
運用管理ツール「Hinemos」は基本機能をオープンソースで提供、
エンタープライズ向け機能を有償で提供しており、同社はこの導入を事業の一つとしています。ウサギのキャラクター「もにた」がかわいい。
<ライトニングトーク&閉会式>
閉会式では恒例のライトニングトーク(LT)も実施。
技術的な話もあり、コミュニティ活動の話もありと、楽しく聞かせていただきました。最後に追加のLT発表者を募ったときに手を上げた方もいて、時間いっぱいまで盛り上がりました。
ところでLTでは、しまだひろふみ氏が上述の名古屋ローカル企画について、そしてOSC名古屋をどう盛り上げていけるのか、ということを話していました。またOSC企画運営の宮原徹氏が最近のOSC全体の参加人数などの参加状況を話していました。今後OSC・OSC名古屋をよくしていくための意見やアイデアなど、ありましたらぜひお寄せいただければ幸いです。
<大懇親会>
約70人が集っての大懇親会。焼肉とビールとLTで盛り上がりました!
◆おわりに
今年もOSC名古屋というひとときが終わりました。最後に私個人として。
私は主に名古屋でOSCにたびたび参加しているわけですが、参加することで「もっと何かできそうだ」といった気持ちになることができるなと思います。簡単に言えばモチベーションの補給になっているなと感じます。皆様にとってもそういう場になっていればいいな、と思っております。