前日にOSCサミット開催!
OSC2017 Hiroshima 無事に終了

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11月26日(日)にOSC2017 Hiroshimaを開催しました。
会場は昨年と同じ「サテライトキャンパスひろしま」です。

日時:2017年11月26日(日)
会場:サテライトキャンパスひろしま
展示:43ブース
セミナー:28セッション
来場者:約200名
Twitterハッシュタグ:#osc17hi
展示一覧
セミナープログラム

=前日開催:第2回 OSCサミット=
今年は前日にOSCサミットが開催され、日本全国からOSCやコミュニティを
運営している方達が集まりました。OSCサミットは昨年の沖縄以来2回目の
開催でした。(→ 昨年のOSCサミット@沖縄
今回は「OSCと地域コミュニティ」をテーマにライトニングトーク形式での
現状報告や問題提起、解決への取り組みなどが発表されました。

この日は偶然カープの優勝パレードと重なり、会場の周囲はカープファンで大混雑。
近くの道路が封鎖されて荷物がいつ届くか判らないという先の読めない状態でスタート
でしたが、OSCサミット終了時には全ての荷物が滞りなく到着し、百戦錬磨のOSCサミット参加者のご協力で、150袋の配布物の袋詰めや展示会場の準備は、あっという間に
完了しました。

=前夜祭=
OSCサミットと準備の後は広島の牡蠣を満喫していただこうと、宇品にある牡蠣小屋で
前夜祭を行い、牡蠣を始め、魚介類や肉などのBBQを堪能していただきました。
煙と匂いが凄かったですが、焼き牡蠣を30個以上食べた方もおられたようです。

=当日=
朝から受付周りの準備を行いました。
出展者の方も早くから展示の準備を行っていました。

=展示=
43ブースが並んだ展示会場。
毎年多くの方に出展いただいていますが、今年は部屋の中では
収まりきらず、廊下にもブースが並ぶほど大盛況でした。
展示一覧

▼展示会場の様子


=セミナー=
4トラック28セッションのセミナーが行われました。
その中からいくつかをご紹介します。
セミナープログラム

クラウド上のロードバランサは今どうなっているか
担当:UltraMonkey-L7
講師:竹林 信哉

AWSでロードバランサを使う場合、マネージドなサービスであるELBを使う事が多いと
思いますが、ELBで提供されていないプロトコルや監視方法を使いたい場合、自前で
ロードバランサを作る事になります。AWS環境でマネージドサービスと同等のロード
バランサを構築する場合に考慮しなければならない注意点や対処方法などが発表され
ました。
クラウド環境でシステム構築することが一般的になってきていますが、クラウド環境で
提供されているマネージド環境を使うことが当たり前になってしまうと、一から高可用
性システムを構築する知識や技能を持たないインフラ技術者が増えてくるのではないか
と思いました。

中国電力におけるOSSへの取り組みについて
担当:中国電力株式会社
講師:丹治 邦夫

広島の大企業である中国電力がスマートメータのシステムにOSSを導入した経緯と、
導入後に社内で起こった変化について発表がありました。現在130万台のスマート
メータから30分毎にアップされてくるデータを遅延無く処理しているそうです。
「大体10分位で130万件のデータが上がってきます。今、こうして話している間に
何件のデータを処理しているでしょう・・・まぁ、それくらい凄い量です」という
説明に、システム構築の大変さが伺えました。スマートメータの数は来年には倍、
最終的には500万台で運用するそうで、既に500万台でも問題ないことをテスト済み
だそうです。
「商用製品ではなく、PostgreSQLを選択するにあたって、色々な意見が出たが、
それらは全て(変えたくない事の)言い訳に過ぎなかった」。
「どう考えるか、何を選択するかは自分が決めること、人に任せる事ではない」。
「自分たちでやれば技術力・実力・自信がたまる、丸投げすればストレスがたまる」と
いう言葉が印象的でした。

オープンソースによる、ゲーム制作について
担当:広島ゲームエンジンユーザーグループ
講師:佐々木 順昭

手軽にゲームを作るために、オープンソースソフトウェアと非オープンソース・ ソフト
ウェアを組み合わせた開発を、同人ゲームの制作を実例として上げて説明していただき
ました。
キャラクタ作成に用いたMAGICA VOXELはボクセル型3dモデリングソフトで、絵描きが
うまくなくても絵をたくさん揃えられます。
骨組みとモーション付けには Blender を用い、これらオープンソースソフトウェアで
グラフィック部分を作成し、最後に Unity を用いてゲーム部分を作成し、半日で完成
させていました。
ソフトウェアをうまく使い分けることでゲームが手軽にできることを(コスプレまで
して)非常にわかりやすく教えていただけ、自分でも作ってみようと思える話でした。

オープンソースを活用した医用画像読影支援の開発と今後の応用展開について  
 〜知的で信頼の高い「いつでも・どこでも」高度医療実現を目指して〜

担当:特定非営利活動法人オープンソースソフトウェア協会(OSSAJ)
講師:健山 智子

面倒見の良い先輩たちに見守ら(導かれ?)ながら、紆余曲折で情報系の研究へ
入ったという講演者が、医用画像解析・可視化システムにおいて、どのように
オープンソースが貢献しているかを幾つかの事例を用いて紹介してくださいました。
計算解剖学というちょっと変わった研究分野で、個人毎に異なる人間の体を調べて
いこうとする試みは非常に興味をひくものでした。
なお、本セミナーは、OSSAJミニセミナー(2017年度第2回目)として開催されました。

【OSC広島 特別企画】学生コミュニティ&部活紹介及びパネルディスカッション
担当:OSC広島実行委員会
講師:玉田 卓帆/長田 剛(広島市立大学プログラミング同好会)
   髙橋 朋紀(CoderDojo五日市)
   清水 赳(香川大学SLP)
   大杉 将輝(MT広島)
   森田 浩平(ひろしま学生IT勉強会/広島工業大学/OSC広島実行委員長)

広島県内の学生コミュニティと香川大学SLPの皆さんの活動を紹介いただきました。
出来て間もないあたらしいコミュニティの方から長年活動されている香川大学SLPの方に
質問したり、コミュニティ間の交流もありました。
参加いただいた中からOSC広島の運営に興味を持っていただきメーリングリストに参加
された方もおられて来年にも期待しています。

学生ライトニングトーク大会!
担当:オープンソースカンファレンス実行委員会
司会:大杉 将輝

昨年は前日に行われた学生ライトニングトーク大会が、セミナーになって
帰ってきました。
今回は香川大学が8組、山口大学が1組の計9組、総勢16人の発表でした。
香川大のみなさんは発表の腕が大幅アップしていました。
話したいことも大幅アップしていたのか、昨年に比べてドラが多く叩かれていた気が
しますが、皆さん頑張って発表していました。山口大の方も、大学生からプログラミングを始めて、積極的に行動していく姿勢は、忘れかけていた熱い気持ちを思い出させてくれるものでした。
会場は立ち見が出るほどの大盛況で、聴講している皆さんから「学生とは思えない、
レベルの高い発表」という声も聞こえました。

(たぶん)世界初!?
 おっさんでも美少女になれる「VRリモートプレゼンシステム」

担当:株式会社インフィニットループ
講師:松井 健太郎

広島と札幌をネットワークで結び、テレビ会議ではなく、VR環境の中で
VRキャラクターをお互いに動かしながら会話やプレゼンテーションをする
というシステムの紹介。
ボイスチェンジャーまで使って女の子を演じるVRキャラの中の人
(「中の人なんていないよぉ」と言ってましたが)のテンポのよいデモは
高度なシステムを駆使して行われている事を微塵も感じさせないVR漫才の
ようなデモでした。これほど笑ったOSC広島のセミナーを私は知らない。。。
ぜひ、また見たいです。

NetBSDのご紹介
担当:日本NetBSDユーザーグループ
講師:蛯原 純(The NetBSD Project/developer)

「響け!…ない NetBSD」として新しくブランチしたNetBSD 8のオーディオ
デバイスの話でした。NetBSD 8ではx68kではデバイスを認識できないと言う
ところから始まりました。オーディオデバイスの歴史を振り返り、大きく書き
換えられたNetBSD 8オーディオデバイス実装上の話に触れて、オーディオ
デバイスをx68k用に修正された独自カーネルまでに至ります。

オーディオデバイスは、ハードウェアの特性に大きく影響を受けます。
いろいろな問題と解決方法が紹介してあり興味深いセミナーでした。

=ライトニングトーク&閉会式=
100人部屋では入りきらず急遽パーティションを開けて200名席に拡張した
ライトニングトーク。今回は7名のエントリーがありました。
また最後はじゃんけん大会もあり、盛り上がりました!

▼ライトニングトークの様子      ▼じゃんけん大会!

=懇親会=
出席率130%。
これまでもOSC広島の懇親会は出席率が高いと言われてきましたが、
とうとう100%を超えてしまいました。当日無理やりお願いして席を
作っていただいたお店の方に感謝です。
懇親会では学生さんをはじめ、若い人たちと沢山話すことが出来て
とても楽しかったです。

▼かんぱい!

=今年のまとめ=
飛び石連休の日曜日開催だったので多くの方に来ていただけるか心配でしたが、
当日は約200名の方にご来場いただきました。

例年、展示会場は人で溢れ返っているのにセミナー会場は少ない事が多かったのですが、
今年はセミナー会場にもそれなりに人が入っており、いい感じになってきたかな?と思います。ただ、出展者が多すぎて展示会場に収まらず、廊下やロビーで展示していただいたのは申し訳なかったと思っています。
一方、今年から実行委員長が学生さんに変わり、学生主導のセミナーを複数設けることが出来たのは良かったです。
来年以降も若い人を中心に企画を進めたいと考えています。
今年参加いただいた皆さま、実行委員の皆さま、来年も頑張りましょう!

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OSC2017 Hiroshima 実行委員一同
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