「オープンソース」を使ってみよう
(第45回NetCommons で作る
 メンバーズサイト)

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■そもそも NetCommons とは?
小中学校の公式サイトや大学の研究成果公開サイトなど、教育現場の
ために国立情報学研究所が次世代情報共有基盤システムとして開発した、
LMS(学習管理システム)とグループウェアを統合したCMSです。


(サンプル画像)

つまり NetCommons は『小中学校サイトのお手本』として作られたんです。
NetCommonsを使うかどうかは別として、公共性の高いサイトに携われる方には
是非とも一度は触っておいて欲しいCMSです。

NetCommons は全国で5,000校以上の小中学校などの教育機関で使われています。
研究者情報や論文等へのリンクを公開している『リサーチマップ』は、
かなりカスタマイズされてはいますが、参考になると思います。

■充実したユーザー管理機能
NetCommons は教育機関のお手本として作られたシステムですので、
デフォルトで5段階(システム管理者、主担、モデレーター、一般、ゲスト)、
設定次第で100段階以上の細かいユーザーレベルが設定できます。


(ユーザー権限一覧:『権限の追加』で任意に権限を追加できます)

全ての登録ユーザーのマイページを作ったり、グループ毎のクローズドなページを
追加したり、それぞれのユーザーとページに権限を設定できる機能をデフォルトで
備えていますので、ユーザー別のサービス提供ができます。


(ルーム別のユーザー権限設定画面)

こういった機能を利用して、社内や共同作業で使えるグループウェア、顧客向けの
ソーシャルネット、各種バーチャルオフィスなどを構築して納品している業者さん
もあります。

■デフォルトモジュール(基本機能)
NetCommons は『モジュール』を使って機能を拡張します。
デフォルトモジュールだけでも、ファイルを配布する『キャビネット』、
『チャット』、『回覧板』、『掲示板』などが準備されており、これだけ
でもサイト運営は十分可能です。


(モジュール選択リスト)

これらのモジュールを準備してクローズドなページに配置しておけば、
登録したユーザーとの打ち合わせを行う事が可能です。ファイルから
過去ログまで共有することができるので、作業がスムーズに進みます。


(サンプル画像)

多くのモジュールの中で、もっともカスタマイズされて利用されているのは
『汎用データベース』です。汎用データベースは、サイト内に任意のデータ
ベースを作成してデータを共有できるモジュールです。


(汎用データベースの入力画面)

■汎用データベース
カスタマイズして、メールデータベースとして利用できます。
受信メールをテキスト形式でデータベースに保存し、ユーザーの処理
チェック機能を追加すれば、メールデータベースとして運用することが
可能です。


(企業向けメールアーカイブシステム)

受注メールを受信させて必要なデータを取得し加工しておけば、作業指示
伝票を作成したり、製造工程表に組込んで工場に製造指示を送るワークフ
ローとして利用することも可能です。


(小箱プリントワークフロー操作画面)

個人向け倉庫サービスなどでは、預ける品物の状態や引取日時などの品物
別の情報を集計して従業員が必要な情報を共有し、円滑なサービスをお客
様に提供するシステムを構築することも可能です。


(タイヤ預りサービスの専用サイト)

これらは、しっかりとしたユーザー管理機能を持った NetCommons だから
こそ提供できるサービスなのです。

■NetCommons の問題点 スマホ対応など
これだけの機能を持った NetCommons ですが、いくつかの問題点もあります。
安定版の NetCommons2 から書き出されるソースは table タグが多用されて
いるので、SEOを目的にしたサイトには向きません。

個人の主観ですが、テンプレートエンジンに Smarty を使っているので
開発がかなり特殊です。いくつも納品しておりますが、いまだに Smarty が
手に馴染みません。ちなみに、次期バージョンでは Smarty を使っていません。

NetCommons2 ではスマホ対応していませんが、配布されているハックツール
を使用すればレスポンシブ化できます。ちなみに次期バージョンでは対応して
います。

レスポンシブのハックツールはコチラからダウンロードしてください。


(レシポンシブ対応したNetCommons2のサイト)

■次期バージョン NetCommons3 の進捗
すでにリリースはしているのですが、NetCommons3 はいささか
バギーですので、すぐに導入するのはおススメできません。
サーバーによってはインストール時にエラーが発生します。


(NetCommons3 デフォルト画面)

レスポンシブになったのはいいのですが、簡単にデザインが変更できるかと
言えばそうでもありません。スマホでも挙動が怪しい部分がいくつか存在
しています。そしてまだ動作が遅いようです。

『アンケート』や『問合せフォーム』などは使い勝手は悪い部分があります。
なにより、一番使いたい『汎用データベース』が出来ていません。実際に
導入できるまでにはもう少し時間が掛かりそうです。

NetCommons3 はコチラからダウンロードしてください。

■それでも NetCommons を使う意味
このように、NetCommons をとりまく状況は必ずしも万全とは言いきれません。
しかし、日本の公的な機関が開発に関わっており、プログラムソースは Github
上で公開されていますので、開発メンバーが集まるユーザ会(コモンズネット
に参加して一緒に開発することができます。


(コモンズネット・サイト)

CMS を納品をする業者にとって、システムに関する情報はとても大事です。
脆弱性の問題から、欲しい機能の追加など、開発メンバーに直接リクエスト
できる事はディベロッパーとしての義務ではないでしょうか?

多くの実績もあり、公的機関が開発に関わり、常に最新情報を手に入れる
ことができる NetCommons は、クライアントに自信を持って提供する事が
できるシステムです。

NetCommons のダウンロード

■既存サービスとの違い
ユーザー情報を扱うサイトはコストを考えると小さな団体で運営するのは
簡単ではありません。ですので Googleや Facebook、Lineも含めて既存
サービスを利用することが多いようです。

しかし、既存のサービスに依存するのは好ましいことなのでしょうか?
必要なデータを再利用する時に何らかの制限やコストが掛かったり、
データの流出や漏洩時に把握しにくいなどの問題点もあると思います。

それらを全て解消できるわけではありませんが、オープンソースの
NetCommons を使ったサイトを自社のクライアントに提案してみては
いかがでしょう?
クライアントと新しい関係を築けるかもしれません。

■最後に・・・
今回こちらで紹介させていただいた内容を、2017年5月27日開催のOSC名古屋の
セミナーで発表させていただきます。もう少し深い内容をお話させていただける
かと思いますので、是非おこしください。
もし、なにかご質問等がございましたら、同日ブースでお伺いいたします。

※数字や進捗については、2017年3月時点の状況です。

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Netcommons 名古屋ユーザー会 
よたか(代表)
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