曇天も吹き飛ばす賑わい、OSC2016 Hokkaido!
07/08
OSC News, OSC開催レポート No Comments
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2016年6月17日(金)-18日(土)の2日間にわたって、
札幌コンベンションセンターでOSC2016 Hokkaidoが開催されました。
2005年から数えて今年で12回目のOSC2016 Hokkaido。
曇りがちで少し肌寒い外のお天気とは裏腹に、会場には100以上の
団体が集結し、オープンソースへの熱い思いに満ちていました!
そんなOSC2016 Hokkaidoの様子を、
・あるねこ(@aruneko99)
・うっひょい(@keisuke495500)
・ぐんじ(@Gunzi_d)
・わんちゃん(@kinkedoudid)
のレポート班メンバー4人がお伝えします。
開催概要
・日時:6月17日(金)-18日(土)
・会場:札幌コンベンションセンター
・来場者数:1日目約110名、2日目約600名
・参加団体数:116団体
・展示ブース数:71ブース
・セミナー数:65(2日間合計)
・Twitterハッシュタグ:#osc16do
・セミナータイムテーブル(1日目)
・セミナータイムテーブル(2日目)
・展示一覧
=ポスター=
OSC Hokkaido、2016年版のポスターは
「なまらうまいソースコード」というコンセプトで、
札幌在住のデザイナー、コモモさんが作成して下さいました。
「美味しそうな料理」「ソースが垂れるかんじ」「写真で」と
方向性が決定し、最終的にハンバーグを使ったこのデザインと
なりました。
コモモさんは、懇親会参加証もデザインして下さいました。
また、一連のコモモ作品をリスペクトして、北海道企画である
カレーカンファレンスのポスターがデザインされました。
【1日目】
1日目は6月17日(金)13時より、セミナーのみ1トラックで5名の登壇者に
よる発表が行われました。足元の悪いなか、100名以上の来場者にお越し
いただきました。
セミナーはネットワークセキュリティからはじまり、Raspberry Pi、
Docker、仮想化の設計・運用・構築、MySQLの最新情報といったインフラ系
の話題を中心に行われました。
セミナーの裏では、2日目に来場される皆さまにお渡しする資料の
袋詰め作業(通称:蟹工船)や、設備備品チェックなどの作業をしていました。
みんな一丸となり作業したお陰で、予定よりも早く準備が終了しました!
【2日目】
=名札=
春のOSC東京に引き続き、北海道でも「学生名札」と「初心者名札」が
用意され、学生さんとOSC初心者の方に活用されていました!
=展示=
展示は2日目の10時から16時まで行われ、
今年も全国から集まった様々な展示ブースが賑やかに出展されていました。
協賛企業が22団体、後援団体が3団体、コミュニティが46団体の合計71団体
と去年の67団体を上回り、過去最高のブース数となりました。
その中から3つのブースを紹介します。
全国のOSCでおなじみのNetBSDブースでは、これまたおなじみの
様々なシールを配布していました。また様々なハードウェアに
NetBSDをインストールしたものを多数展示していました。
特にSun製のマシンにインストールされたNetBSDは実際に触って
体験できるようになっており、たくさんの人が体験していました。
Sapporo.cppブースでは、過去にSapporo.cppが主催した勉強会で
作成した成果物を展示していました。特に五目並べAIは大変強い
AIであり、実際に対戦してみましたがあっさり負けてしまいました。
他にも、ラムダ式をあしらったオリジナルのチロルチョコを配布して
いました。
ブリッジさんのブースには、Pepper君がデモ紹介のお手伝いをしていました。
一度認識した顔を、首を振りながら追いかける愛らしい仕草で会場を賑わせて
いました。ブースの皆さんの集合写真を撮影した瞬間も、誰かの顔を追って
横を向いてしまったのでした。
=セミナー=
2日目に行われたセミナー60セッションの中から、
北海道企画を含めた、5セッションをレポートしたいと思います。
【はじめてみよう地図を使ったデータビジュアライゼーション入門
〜 FOSS4Gとオープンデータで可視化した地図を公開 〜】
OSGeo財団日本支部:桐本 靖規さん
このセミナーではオープンソースの地理情報ソフトウェアツール群で
あるFOSS4Gの紹介をしていました。現在、オープンストリートマップ
などがあり、地理情報のオープンソース化が進んでいます。
お話の中ではみなさんがパンフレットに場所を示す時に使うgoogle mapsが
実は権利に厳しいという話が出てきました。そんな時にオープンデータを
使った地図が使えるということもお話していました。
そこでオープンデータが載った地図を簡単に実現できるのがFOSS4Gです。
たった数行のCSSとJavaScriptを書くだけで地図をWeb上に表示させる
ことができます。更にCSSやJavaScriptが書けないという人でもGUI上で
操作ができるWebサービス、CartoDBの紹介もしていました。
【プレゼンテーション・ソフトを使わないフリーなツールでスライドショー】
中部大学オープンソース研究会:前田 和昭さん
このセミナーではPowerPoint以外のフリーなツールを使ったスライド
作成法を紹介していました。セミナー中でみなさんが普段スライドを
作る時に使うツールについて聞いていました。
やはりPowerPointが最も多く、次にKeyNoteを使っている人が多い印象で
した。Beamerを使っているという人も一人いました。
その後、LaTeX (Beamer)を使ったプレゼン方法やWebブラウザを使った
プレゼン方法などが紹介されました。Webブラウザを使ったプレゼンには
ZUI (Zooming User Interface)が取り入れられているPreziの紹介が
ありました。
PreziはPowerPointではマウスでカチカチとスライドを作っていくところ
をHTMLの記述で行っていくというものでした。ズームアウトして次の
スライドにズームインしていくダイナミックな様は確かに印象的でした。
【C++のパケット解析ライブラリLibPGENを使用した新たなプロトコルに
対するパケット解析】
国立セキュリティ・キャンプ第12期同窓會:城倉 弘樹さん
C++を用いて開発されているパケット解析ライブラリの紹介を行う
セミナーでした。ネットワークのパケットを柔軟性の高いクラスに
まとめ上げて、新たなプロトコルが出現してもこのクラスを継承して
新プロトコル用のクラスが簡単に作成できるという自作ライブラリの
魅力が紹介されました。
またテスト用プロトコルを用意して実際に解析するハンズオンも行われ
ました。Githubリポジトリからライブラリのソースコードを入手した後、
テスト用プロトコルを解析できるコードをコンパイルしてプロトコルの
内容を表示するという内容で、実際にプログラムを触ってみることでより
理解を深めることができました。
北海道企画その1
カレーカンファレンス2016-Experimental-
夜に開催される懇親会への参加が難しい人のためにと昨年から開催を始めた
カレーカンファレンス。今年は定員人数を拡張しての開催でしたが完売と
なりました。
会場内にあるレストランSORAさんのカレーをいただきながら、ランダムに
決めたグループの中でお題について語り合いました。今回のお題は次のよう
なものでした。
・自己紹介
・名前(HN)
・今の属性
・好きなこと(言語など)
・好きなカレーの具
・おすすめのカレー屋さん
・セッションについて
・午前に見たセッションについて
・午後から見たいセッションについて
まず、みんなで手を合わせて「いただきます!」
お肉が柔らかくなるまで煮込まれたビーフカレーで、とても美味しかったです
一緒のグループになった人たちと話も盛り上がりました。
みなさん、好きなことも好きなカレーの具も多種多様でした。
途中、北海道のおすすめのカレー屋さんの話になり、白熱していました。
そんなこんなでみんな食べ終わって最後はみんなで手を合わせて
「ごちそうさまでした!」
楽しく美味しい一時を過ごしました。
北海道企画その2
エンジニアの仕事 〜returns〜
2コマ連続で行われたこのセミナーは学生をメインターゲットとして
開催されました。司会の方が挙手でアンケートをしたところ、意外にも
学生と社会人が半々ぐらいでした。
1コマ目は、講師のみなさんの自己紹介とどんなことをしているのかと
いった発表から始まりました。斎藤さんはクラウド、永沼さんは酪農と
IT、清川さんと佐々木さんはサイバーセキュリティが専門という一風
変わった講師陣で、普段聞けないような話を聞くことができました。
永沼さんは、以前の仕事と比較して、現在の「酪農とIT」という仕事は
ユーザとの距離が近く、反応がダイレクトに届くと語りました。そして、
情報リテラシーの格差解消やサポートが重要であることや、取捨選択も
重要であるということを訴えていました。
斎藤さんは、エンジニアがフリーランスとして働くということを自分の
生き方を事例にして、40歳までの自分と40歳からの自分に分けて説明
されました。また、フリーランスとして大切なことは、自分の特徴づけ、
発信力、そしてなにより自分が楽しいと感じることだと語りました。
清川さんは中途採用、佐々木さんは新卒で、警察官となった方々でした。
最近のサイバー犯罪について、どのように捜査をしているのか、
今どのような人材が必要とされているのかが話されました。
現役の警察官であるお二人の体験談を交えた、大変興味深い内容でした。
2コマ目はパネルディスカッションでした。
いくつか質問がありましたので一部を紹介いたします。
・Question1
・エンドユーザーに接することが多いですが、
何か見返りのようなものをもらったことはありますか
・Answer1
・作ったチーズの試食やお肉の差し入れをもらった。(永沼さん)
・特になし。(斎藤さん)
・被害者の方から食事の提供などを提案されることはあったが
公務員なので丁寧にお断りした。(清川さん、佐々木さん)
・Question2
・今の仕事で必要な知識を得るのにかかった時間はどれくらいですか
・Answer2
・今でも勉強しているが、3ヶ月ほど。牛の検定など、
本を読んで学んだ。(永沼さん)
・多くの業界と関わるため、終わりがない。(斎藤さん)
・最初は普通の警察官で、様々な部署を渡り歩いた経験が活きている。
IT分野も含めて、色々なところで得た知識も活用しながら日々勉強
している。(清川さん、佐々木さん)
・Qestion3
・最後に、学生へ向けて一言
・Answer3
・新しい技術を追いかけて、人生を楽しんでください。(永沼さん)
・20代は楽しく取りくむ、無駄にならないからゆるく行こう。(斎藤さん)
・これからの世の中警察は必要です、ぜひ(警察官になることを)検討
してください。(清川さん、佐々木さん)
=ライトニングトーク&閉会式=
今年も内容の濃いLTとなりました。どのLTも短い時間に内容が凝縮されており、
会場は大変盛り上がりました。最後の「爽快にgit commitをキメる!」という
タイトルのLTで爽快にシマりました。
なお今回は以下のタイトルでLTが行われました。
・北海道出身のエンジニアが2年間東京で仕事をして帰ってきた話
・LOCAL Update!!〜ここ最近の僕たちと、これからの僕たち
・コミュ症にやさしい人工知能を使った話題提供アプリ
・QEMUでARM64bitベアメタルプログラミング
・勉強会に1年くらい参加し続けてみた人の話
・今年もやります、JaSST Hokkaido
・YAPC::Hokkaido2016 Sapporoのご案内
・WWW2.0の高速化
・デザインパターンとともに学ぶオブジェクト指向のこころ
・爽快にgit commitをキメる!
今年の閉会式も小ホールが満員となり大盛況でした。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
毎年恒例のことですが今年も様々な忘れ物が見つかりましたが、
無事に持ち主が見つかると会場から大きな拍手がわき起こりました。
=懇親会=
今年の懇親会もサッポロビール園トロンメルホールで行われました。
180名を越える方にご参加いただき、大変賑やかな懇親会となりました。
懇親会のメニューはジンギスカン食べ放題でした。
なんと今年はおにぎりも付くのです!
今年も懇親会でLTが行われました。
時間が足りず、後半の発表者は発表時間が1分に短縮されるという
ハプニングもありましたが、最後まで盛り上がりました!
=おわりに=
2日間開催を始めてから今年で3年目。今年も無事にOSC2016 Hokkaidoを
締めくくることができました。皆様のご来場に、感謝しています。
なおライトニングトーク&閉会式の様子をYouTubeにアップロードしています。
こちらもぜひ、併せてご覧ください。
→ ライトニングトーク&閉会式(動画)
それではまた来年のご来場を、お待ちしております!