今回で2回目! OSC2012 Hiroshima!!
11/08
OSC News, OSC開催レポート No Comments
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去る10月20日(土)、広島国際学院大学中のキャンパスにて
OSC2012 Hiroshimaが開催されました。
急な山道を登ってご来場頂いた参加者の皆様、出展者の皆様、講演者の皆様、
ありがとうございました。
当日の様子を実行委員会のスタッフでレポートします!
広島での開催は2回目となり、昨年の準備で培われたノウハウのおかげで、
当日バタバタ慌てることもなく、順調に開催することができました。
色々なOSCの会場でお見かけする常連者の方々は勿論のこと、出展者の中に
学生さんがいたり、当日の参加者の中には制服姿の中学生も見られるなど、
昨年よりも来場者層の広がりを感じることができました。
今年のOSC広島は、24コマ(4トラック)のセミナー、26ブースの展示、
そして来場者数は約150名でした。
■セミナー
▼Hiroshima.rb
「わしらHiroshima.rbじゃけど Ruby書いたり 広島を盛り上げたり しよるんよ」
Hiroshima.rbはプログラミング言語Rubyの地域コミュニティです。
「楽しいRuby」をモットーに活動しており、今年の発表も「わしら
Hiroshima.rb じゃけど Ruby 書いたり広島 を盛り上げたりしよるんよ」
と題してメンバー複数人がライトニングトーク形式で行いました。
内容は Hiroshima.rbの概要、音声合成、PaaS、Twitter と多彩で朝一の
セミナーにもかかわらず多数の方に参加頂き楽しいセミナーでした。
▼LODチャレンジ2012実行委員会
「LODチャレンジ2012に挑戦しよう!」
インターネット上にあふれるデータの価値をもっと高めようという運動
LinkedOpen Dataについて、講師の羽鳥さんが熱く語ってくれました。
朝一番のセッションで聴衆の集まりが悪かったのですが、そんなものも
吹き飛ばすように語る語る。。。。さすがです。しかも、このチャレンジ、
ホワイトボードに書いたアイデア図の写真だけでもOK、賞金も出るという
おいしい話でした。
どこかにあるはずだと思ってインターネット上を探し、見つからずに疲れ
はてた経験はありませんか?皆でデータを公開し、それをつないで価値を
高めていくこの活動がもっともっと広まれば素晴らしいし、しかもアイデア
だけでも応募して一攫千金とこっそり思わせるお話でした。
▼島根大学
「OSSの経済価値について考える」
OSSがビジネスに浸透しづらいのは、数量的評価が難しいからではないのか?、
ということで、OSSの経済価値をどのようにして考えるかといったお話から、
COCOMOを用いて、試算した結果などをお話されました。
その中では、OSSの経済価値を試算する上でOSS自身だけでなく、OSS周りの
開発者やプログラマの資産にも左右されることを踏まえた上で、OSSは開発者
が集まるための時間が必要で、そのために試算値と実際の価値とのタイムラグ
を考慮していく必要性があることも話されていました。
定量化の難しいOSS価値の試算の一例や考え方として、非常に参考となるセッ
ションでした。
▼Mashup Awards 実行委員会
「【MA8 Caravan】注目Web API・オープンプラットフォーム技術最新動向解説」
Mashup Awardsは2006年から開催されているWEBアプリ開発コンテストで、
MA8はその8回目の開催になります。
MA8は多種多様なAPIを使ってWebサービスやアプリケーションを作るだけで
なく、新しいものにチャレンジして、見たこともないようなものを作る方々が
参加され、最近の傾向としてはリアルなものとWebの世界をひもづけるARや
Kinectなどを利用したものが多いそうです。
また、このセッションではMA8のAPI提供企業であるPUX株式会社様とKDDI
ウェブコミュニケーションズ様からも各技術担当者が登壇され、各提供APIの
紹介がされました。
このコンテストから、今までの常識を覆す素晴らしいアプリが続々と出てくる
ことで、ソフトウェアにオープンな風潮がもっと広がると良いと思いました。
▼日本MySQLユーザ会
「MySQL最新動向と便利ツールMySQL Utilities」
WEBで圧倒的なシェアを誇るリレーショナルデータベース、MySQLの最新事情
とそれを更に便利にするUtilitiesのお話でした。
なかなか聞けない現状のWEB業界のDB情勢(MySQL→他のデータベース→MySQL
に戻ってくるなど)はとても興味深いお話でした。
また最新バージョンとなる5.6ではRDBの枠を越え、KVSのような機能の紹介や
新たなストレージエンジンの詳細など、多岐に渡る大変充実した内容でした。
今後のMySQLの動向は目が離せないですね。
▼NVDAユーザ会広島
「音声と点字でWindowsを操作できるNVDAの日本語対応と国際化」
NVDA(NonVisual Desktop Access)とは、Windows上で音声読み上げなどを
行うスクリーンリーダーソフトウェアで、点字ディスプレイへの出力にも対応し
ています。
視覚障害を持っている方を中心にユーザがいます。
オーストラリアの非営利法人NV Accessによって開発されており、開発言語は
Pythonが使われています。セミナーでは、NVDAとその日本語化の現状につい
て解説がされていました。
ワープロ、表計算などの主要なオフィス系ソフトやThunderbirdのようなメール
ソフトウェア、Firefoxのようなブラウザでは動作するとのことです。
ただ、視覚効果を多く使うソフトウェア(オフィス系ですとパワーポイントな
ど)にはまだ対応していないとのことでした。
現在、NVDAは日本語独自機能を追加した日本語版が本家版とは別にリリースされ
る体制になっています。例えば日本語IMEのかな漢字変換と中国語入力機能の動作
の違いなどがあり、非英語圏も含めて本家版ですべて対応できる状況にはなって
いないことなどがその理由とのことです。
台湾で開催されたPython関係の会議に参加したり、9月に東京で開催されたPython
カンファレンス(Python Conference Japan 2012)にメイン開発者の方を招待して
講演してもらったりしながら日本の状況を理解してもらえるよう努めるなど、
日本における開発体制も十分とは言えない中で対応されている苦労話などもあり
ました。なお、おそらくこのセミナーのために来場されたと思われる視覚障害者
の方も2組ほど聴講されていました。
▼Joruri
「徳島県と共同開発したJoruriプロダクトのご紹介〜CMS、グループウェア、
ウェブメール、そしてプロジェクト管理・コミュニティへ〜」
Joruriは徳島県内の12市町で使われているオープンソースのCMSで、Ruby on Rails上
で開発・稼働します。
Joruriには人形浄瑠璃のように、システムを後ろで支えていきたいという意味合いが
込められているそうです。自治体と一緒になって発展していくオープンソースCMS、
他のCMSに負けず徳島県から全国へ、今後の発展に期待です!
▼OpenStreetMap Japan
「OpenStreetMap の紹介, ODbLライセンスに関して」
OpenStreetMap Japan のセミナーでは、OpenStreetMap の新しいライセンス ODbL
の紹介。地図のデータを扱うプロジェクトなので、データ自体のオープン性を保つ
新しいライセンスに移行しました。
これまでのライセンスとの関係と変わったところ、適用される部分に関しての説明
がありました。
■展示ブース
昨年、X68030 3台で参加のNetBSDブースが今回は、X68000シリーズ 4台での参加
となり、NetBSDをはじめ X Window System が動作していました。
広島サーバユーザ友の会(仮称)でも、Cobalt Qube などのサーバ機が登場していた。
オープンラボ備後では、テスラコイルの展示とデモの映像とプロペラブでのハード
より(と言うよりも電子工作的な)の展示でした。
日本MySQLユーザ会と日本PostgreSQLユーザ会と言ったデータベース関連のコミュ
ニティが隣り合うブースとなっていました。
■ライトニングトーク
OSCの華、ライトニングトークでは、5分間に集約された発表者入魂の発表が次々と
繰り広げられました。
▼「Ustream配信システムのご紹介」宮原 徹(OSC事務局)
OSCの参加者の「1セッションのために行くのは大変」「行きたいけど遠方のため
難しい」などの声からUstreamを始めましたと言うお話。
具体的な機器の説明からネットワーク構成まで、今後の勉強会で同様に動画配信
される方には大変参考になったかと思います。LT1発目と言うプレッシャーの中、
勢いをつけて頂いたLTでした。
▼「広島サーバユーザ友の会(仮称)のご紹介」tkt(広島サーバユーザ友の会(仮称))
サーバを愛する人の集まりである広島サーバユーザ友の会(仮称)とその人達の自宅
のサーバ環境のご紹介でした。自宅にサーバラックがあったり、L3ルーターがあった
りとコアな内容で大変楽しく聞かせていただきました。
定期的に集まって環境のお披露目や意見交換をされているそうです。
興味がある方は気軽にご参加ください。コアな仲間が歓迎してくれますよ!!
▼「挑戦!!LODチャレンジ2012」羽鳥 健太郎(LODチャレンジ2012実行委員会)
Linked Open Data(http://lod.sfc.keio.ac.jp/challenge2012/)のお話でした。
データもオープンに!とオープンデータの説明は大変わかりやすく興味深い内容
でした。
活用法を競うLODチャレンジは4つの部門(データセット、アイディア、アプリ
ケーション、ビジュアライゼーション)で開催されます。
応募期間:2012年10月1日〜2013年1月31日ですので奮って参加してみては?
▼「clu2cは64ビットOSでも使えます」東平 洋史(CLU動態保存会)
CLUのコンパイラ「clu2c」のご紹介と64ビットOSでの動作報告でした。
**clu2cってなに?という方にもわかる優しい説明からclu2cの現状の動向まで幅
広く説明していただきました。特に64ビット対応の話はとても参考になりました!!
▼「翻訳カフェと地方翻訳イベントの野望」岡野 孝悌(Doc-ja Archive Project)
LibreOfficeの翻訳活動の内容のご紹介でした。
日本語の翻訳多くの有志から成り立っていますがその参加ハードルは低く、驚き
ました。
「オープンソースに興味があるけど技術的な自信が…」と言う方はまずは日本
語翻訳の誤訳報告から初めてみては如何でしょうか。
小さなことでもコミュニティにもユーザにも貢献出来る一歩ですよ♪
▼「セキュリティに興味あるなら「セキュリティもみじ」いつから? 今でしょ!!」(セキュリティもみじ)
広島で活動されているセキュリティの勉強会のご紹介でした。
定期的に講師を招いて開催されており、既に23回も開催されています。
毎回色んなテーマで開催されていますのでセキュリティに興味がある方は是非。
また発表者のいしばしさんがポスターを作成されているのでそちらも一緒にご堪
能ください♪
■懇親会
セミナーやライトニングトークでの熱気冷めやらぬ中、引き続き広島国際学院大
学内で懇親会が開催されました。
コミュニティの枠を超えた交流は大きなイノベーションを感じました。
また学生と社会人との交流も盛んに行われ、若い力の台頭が見られた瞬間でした。
■おまけ
受付で配布していた[ヒバゴンのたまご]
今回も昨年同様に、受付でアンケートを提出してくれた来場者に配布するちょっ
としたお土産として、もみじ饅頭等のお菓子を用意させていただきました。
その中にはちょっと変わり種?のお菓子もありました。
今回の会場となった広島国際学院大学にはデザイン関係の学科があり、学生さん
が包装のデザインをしたお菓子が商品化されているとのことでした。
せっかくなのでそれもおみやげのお菓子として調達しました。「ヒバゴンのたま
ご」(饅頭のような和風のお菓子)と「四季もみじ」(もみじ饅頭詰め合わせ)
です。
「ヒバゴン」とは、広島県北部の旧比婆郡で目撃されたという類人猿らしき未確
認生物で、「ヒバゴンのたまご」は、その「ヒバゴン」をモチーフとしたお菓子
です。「ヒバゴンのたまご」のパッケージには、オリジナル新聞の「ひばごん通信」
が同梱されているという気合の入れようです。(写真)
なお、「ヒバゴンのたまご」は、会場となった広島国際学院大学の偉い先生から、
閉会式の際のじゃんけん大会のお土産としても提供していただきました。(感謝!)