OSC2012 Nagoyaへご来場ありがとうございました!!

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■初の5月開催と、2日間開催
OSC2012 Nagoyaが、昨年と同じく名古屋国際センターで開催されました。
会場の使い方も昨年同様で、展示ブースが1部屋に収まるのは、来場者にもわか
りやすく、出展者やスタッフにとってもやりやすいのではないかと思います。

例年、OSC 名古屋は夏に開催されてきましたが、今年は名古屋の暑い夏を避けて
5月に行われました。朝晩は寒いという感想もありましたが、日中は過ごしやすく、
このぐらいの時期がちょうどよいのではないかと思います。

また、昨年までは1日間の開催でしたが、今回は初の2日間の開催となりました。
もともと1日間の予定だったところ、セミナー出展が見込みより多く、コマ数が
収まりきらなかったため、予定を変更して2日間開催となりました。




■スーツ族の目立つ 1日目
開催は午後に1トラックのみで、5コマのセミナーが開催されました。いずれも協
賛企業によるビジネス寄りの内容で、平日であることもあり、会場はスーツ姿の
方が目立ちました。

各セミナーとも60名前後の聴講があり、この日の総入場者は100名でした。


(写真右は「速い!多い!安心!故障や災害からデータを保護するDRBD入門」
左は「OpenStackで始めるクラウド環境構築入門」)



■なんでもありの2日目
ブース展示は2日目のみに行われ、また、多くのセミナーが開催されました。

この日の来場者は550名と、昨年の600名より減っているのですが、セミナーの合
間の時間帯は、午前中から展示スペースがかなり混雑し、むしろ昨年より盛況な
印象でした。

来場者アンケートと引換でくじ引きができますが、午後には景品がなくなり、急
遽、いくつかの出展グループからノベルティを追加提供していただきました。
(突然のノベルティ提供に応じていただいたグループの皆様、ありがとうござい
ました)

twitterでハッシュタグ #oscnagoya がトレンド入りしたことからも、盛況ぶり
がうかがえます。



■展示ブース
スポンサー・コミュニティ合わせて60団体のブースが出展されました。
その中から、幾つか選んでレポートします。


◆共同展示ブース
今年も名古屋地区のコミュニティが合同ブースを出しました。名古屋のコミュニ
ティ(CSNagoya、名古屋アジャイル勉強会、プログラミング生放送)のほかにOSC
浜松実行委員会と日本Androidの会 浜松支部が加わっていました。OSC浜松は年
内の開催を目指して検討中とのことです。


◆日本NetBSDユーザーグループ/名古屋*BSDユーザグループ

自由に利用可能で再配布可能なUNIX-like OS NetBSDが動作するマシンを各種展
示しました。W-ZERO3やZaurusを何台も並べてNetBSDとmikutterの動作デモをし
ていましたが、今回の目玉はDreamcastのバーチャルメモリを使ったtwitterクラ
イアントで、来場者の目を引いていました。mikutterシールは今やブームになり
つつあります。


◆OCaml-Nagoya/F#ユーザーグループJP(FSUG-jp)
国産の関数型言語SML#とF#,OCamlの紹介です。


◆Qt名古屋勉強会
Nokiaが中心となって開発されている、クロスプラットフォームのアプリケー
ション開発フレームワークQtの勉強会です。同勉強会の紹介とメンバーの作成し
たマルチプラットフォームなアプリのデモが行われました。


◆WordPress地域コミュニティWordBench名古屋
WordPressコミュニティの紹介、WordPressノベルティの配布およびデモを行ない
ました。WordPressのコミュニティは全国各地にあるため、今やOSC名物とも言え
ます。


◆XOOPS Cube 東海
XOOPS Cubeプロジェクトの勉強会です。同プロジェクトの紹介と勉強会の紹介を
行っておりました。


◆日本 openSUSE ユーザ会 名古屋支部

openSUSE 12.1のデモとインストールメディア、漫画等の資料の配布を行なって
いました。


◆おーぷんここん
古くなり、用途がなくなったWindowsコンピュータを蘇らせる試みが
「opencocon(おーぷんここん)」です。

例えば10年以上前に買った、Windows 98
が搭載されているコンピュータをそのまま用いてインターネットに接続すること
はセキュリティ上問題がありますし、最近のソフトウェアを利用するにはリソー
スが足りないという現状があります。




opencoconは、このような古いコンピュータをシンクライアントの端末として利用
することにより蘇らせます。今回は実演のほか、opencoconのISOイメージが収録
されたメディアの配布を行なっておりました。このほか、4枚組のフロッピーの
配布もありました。


◆clu2c動態保存会
1974年にMITのBarbara Loskovが考案したプログラミング言語CLUの処理系clu2cの展示とソースの配布を行なっていました。CLUは「くるー」と読み、データ抽象の機能を一通り備えております。
まつもとゆきひろさんがRubyを作る際に複数の戻り値、イテレータ、例外処理の機能を参考にし、改良して取り込みました。

いわばRubyの先祖とも言える言語です。日本では東京工業大学理学部情報科学科木村泉研究室周辺でしか使われず、clu2cの開発も現在は途絶えた状態ですが、今後は動く状態で保存していくとのことです。また新たな別の展開も構想しているようです。



◆Clonezilla Project
Clonezillaはファイルシステムのイメージバックアップと復旧を可能にするシステムです。開発元である台湾のClonezilla ProjectのリーダーSteven Shiau氏が来日し出展し、セミナーも開催されました。Shiau氏は、金曜日の前夜祭にも顔を出しておりました。
Clonezillaそのもののほか、台湾式キーボード(拼音(ピンイン)入力対応)のThinkpadも注目を集めていました 🙂



◆最小セットカーネル
μITRON4.0の「仕様準拠のための最低条件」で規定される機能をサポートし、
TOPPERS割込み処理モデルに準拠した、小規模リアルタイムカーネルを開発する
プロジェクトです。今回は雑誌の付録ボードでのタッチパネルでの音楽の選曲が
できるシステムの展示が耳を惹いていました。初展示ながら、ブースアンケート
を50枚実施し、アンケート結果を公開しています。
http://researchmap.jp/joetc5qot-45644/#_45644



◆Mozilla Project

FirefoxやThunderbirdの開発などが有名なMozilla Project。今回は、抜本的な
改善をはかっていることで注目を集めているAndroid版 Firefoxへのコメントを
求めていました。



◆Ubuntu Japanese Team
4月末に12.04がリリースされたばかりのUbuntu。コードネーム (Precise Pangolin) にちなんだぬいぐるみの展示のほか、早くもプレスCDの配布を行っていました。

12.04はLTS (長期サポート版) であることもあり、Ubuntu ServerのCDは早々に品切れになっていました。








◆Linux-HA Japan Project
OSC 名古屋の翌日には東京でwebラジオの公開収録をしたり、OSC 北海道でもなにやらやるらしいLinux-HA Japan。

今回は新作こそないものの、グッズ配布を行ったり、ろくろをまわしながら説明をしたりしていました。









◆Androidロボットサミットin名古屋/NINJA/秘密結社オープンフォース

毎回、アレなガジェットを展示されているオープンフォース他の皆さん。NINJA
の今岡さんは各地のOSCにあわせて「一夜限りのギークハウス」を開催されてお
り、今回も「一夜限りのギークハウス計画 in 大垣」が、12日夜に行われました。

また今回は実施しませんでしたが「IT勉強会などに、キッズコーナーを設置する
メソッド
」の実現に向けても努力されています。既にOSC2012 Ehimeで実施し、
その成果を受けてOSC2012 Kansai@Kyotoでの実施に向けて動きがあるようです。



■セミナー
2日目は7トラック 49コマのセミナーが行われました

◆アセンブラを読んでみよう!(担当:KOZOSプロジェクト)
gcc-3.4.6を用いてCのプログラムを色々なアーキテクチャのアセンブラにクロス
コンパイルして、各アーキテクチャの違いを雰囲気で味わってみようと言う発表
です。坂井代表はFreeBSD,Ubuntu,WindowsXP+Cygwinの環境で同一のアセンブラ
が出力されることを確認済みだそうです。 http://kozos.jp/books/asm/ に載せ
たアーキテクチャからいくつか選んで読みました。なお、全てのアーキテクチャ
用のクロスコンパイラをビルドしようとすると、ビルドディレクトリに7GB程
度、インストール先(/usr/local/cross)に2.5GB程度が必要になるそうです。

なお、KOZOSプロジェクトは展示も行っており、展示の方には中京大学、名古屋
大学の学生、先生が立寄り、いくつかの研究室にKOZOSの本があることを話され
ていました。アセンブラのセミナーも参考になったというアンケート結果もあり、
朝のセミナーを受けた後、ブースで議論も行なわれました。朝一番のセミナー
だったので、「寝坊してセミナー聞けなかったごめんなさい」という方も展示
会場にはおみえでした。

◆ConvivialNet(担当:ConvivialNet)
中京大学などの学生が中心となり、「自由と自律のIPv6実験ネットワーク」
Convivial Netを作る取り組みで数人による発表です。OSC Nagoyaでの発表も今
回で3回目となり、今年は予算の獲得も学生が行なうなど、自律の試みはさらに
進んでいるようです。前回同様、LTを何本か行なっていく形式で行われ、今回は
IPv6のみのVPNの話やVirtualbox上でIPv6のみの環境を作る話などが取り上げら
れました。なおConvivialについてはイヴァン・イリイチ著「Tools for
Conviviality」またはその訳本である「コンヴィヴィアリティのための道具」を
ご覧ください。

◆FuelPHP BoF & 翻訳 Day(担当:fuelphp.jp)
最新のPHPフレームワークであるFuelPHPのBoFが日本ではじめて開催されまし
た。PHPカンファレンス関西と日程が重なってしまうという悪条件の中でした
が、ユーザや興味のある方7名が集まり、情報交換や質疑応答が行われました。

◆jus研究会名古屋大会「教育の情報化とOSSの親和性と問題点」
(担当:日本UNIXユーザ会)

「○○でOSSに貢献した」日々闘う男、法林浩之氏が愛知教育大学から竹田尚彦
教授を招聘し、日本の情報教育に関する問題を鋭くえぐる試合を展開しました。
竹田教授は日米の情報教育を比較し、日本の情報処理教育が抱える問題を丁寧に
解説しておられました。それにしてもアメリカではレーガン大統領の頃から数十
年も情報教育に力を入れてきたというのに日本はつい最近始めたばかり。日本が
アメリカの水準に追いつくのはまだまだ先なのかもしれないと感じられたセッ
ションでした。

なお法林氏は馮富久氏とともに5月13日(月)に名古屋で行なわれたTechLION vol.7の
試合にも臨んでおりました。



■Ust中継
KatzUenoさん、まごろくさんの司会により、OSC 名古屋恒例のUstream中継もお
こなわれました。

出展グループや来場者の方が多数参加し、アツく語ってくれてました
(写真(左)は、
baserCMSユーザー会の江頭さん)






中継は同時最高視聴者数116名、総視聴者数3,045名、ユニーク視聴者数1,212名で、
過去最高となりました。

録画は
http://www.ustream.tv/recorded/22520439
http://www.ustream.tv/recorded/22524155
でご覧になれます。



■スタンプラリー
恒例のスタンプラリーも行われ、200名弱の方が参加されました。スタンプラリー
景品はOSC2012 Tokyo/Springから配布されているクッションポーチで、名古屋では
初登場です。



■懇親会

土曜日の懇親会は会場近くのなごやのしんちゃん
名駅桜通店で行われました。

Tomさんによる「乾杯β版」の後、最後の撤収作業を終えたスタッフが到着。改めて乾杯が行なわれました。

懇親会での情報交換はOSCの第二の楽しみでもあります。懇親会目当てにOSCに来られる方がいるくらいです。多数の参加がありました。ただ会場の関係で懇親会でのLTは開かれませんでした。






なお前日の金曜日も柳橋にある丸八寿司 駅前店でささやかな前夜祭がスタッフ
中心で開かれ、変わった名前のメニューに台湾からいらっしゃったClonezillaの
方々も楽しんでおられました。なぜか、お店の掲示板がエラーになっていました(笑)

■さて来年は……。
来年のことは未定ですが、OSC企画運営の宮原さんからは、今回のような「1.5日開催」を考えたいとのコメントがありました。
おおむね半年前ぐらいから検討が始まりますので、企画・運営に関心をお持ちの方は
osc-nagoya メーリングリストにご参加ください。

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OSC2012Nagoya 記録係:おかの、ひろふみくん、きよし
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