「OSC2013 Tokushima」初開催は人気声優さんとコラボで大盛況!
03/29
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2013年3月9日、徳島で初めての開催となる「オープンソースカンファレンス
2013 Tokushima」が徳島県の公共施設「とくぎんトモニプラザ」で開催され
ました。この会場は青少年の施設というだけあって、デザインも華やかです。
これまで高知(2009)、香川(2011)、愛媛(2012)と開催されてきて、
四国で未開催は徳島だけだったのですが、無事に開催することができて
四国のオープンソース関係者はほっとしたのではないでしょうか。
OSC通算で88回目の開催だったのですが、四国といえば弘法大師が築いた
四国霊場88ヶ所巡りがあります。これも何かのご縁でしょうか。。。
■前日準備
前日から運ばれてくる荷物を見ると、いよいよという気持ちが高ぶってきます。
地元の関係者が集まって会場設営、配布資料のセット、出展者の荷物を手分け
してブースに設置しました。
■開催当日
オープンと同時に多くの人が会場の受付へ。
会場は熱気に包まれ、最終的には約300名の来場がありました。
■すだちくん
会場には徳島県のマスコット「すだちくん」も登場。
1993年から活躍しているベテランです!
みんなと記念写真を撮ったり、グッズを配ったりと大忙しでしたが、
いつも笑顔の「すだちくん」と写真が撮れて、みんな嬉しそうでした。
■セミナー
地元実行委員会による独自企画のセミナーは、まつもとゆきひろ氏による
基調講演「-Ruby開発者が語る- オープンソース時代の到来」です。
オープンソースの定義や本質、フリーソフトウェアやRubyについてなど、
ご自身のひらがな名の由来や現在の立場などの楽しい自己紹介から始まり、
オープンソースとはなんぞや、そのビジネスモデルについて、歴史的経緯を
踏まえて現状を分かりやすく解説していただきました。
オープンソースの本当の意味、自由とは何かを改めて考えさせられる講演でした。
また、今回はオープンソースチャンネル「WebラジオペースメーカーCafe」と
「五十嵐裕美のチャンネルはオープンソースでっ!」がOSC徳島のセミナー枠と
して行われました。
徳島のおいしい食べ物の話やじゃんけん大会などで、会場全体が大盛り上がり!
普段のカンファレンスとは違った雰囲気でした。
オープンソースと声優さんとの意外な繋がりにより急遽今回の開催となりましたが、
事前の申込み枠は満席になる大盛況!しかし、当日はスタッフにより整理券を配布
する事で特に混乱する事なく無事に進みました。
以下、各セミナーについてご紹介します。
▼徳島県と共同開発したJoruriプロダクトのご紹介
〜CMS、グループウェア、ウェブメール、そしてプロジェクト管理・コミュニティへ〜
担当:株式会社アイ・ディ・エス
講師:野原 直一 氏
「Joruri」の様々な性能、使い易さ等について詳しくお話を聞く事が出来ました。
タイトルの通り、「Joruri」は多くの機能を備えており、これからの発展性を見出す
ことが出来ました。
▼徳島科学技術高校のOSS実習
担当:徳島県立徳島科学技術高校
講師:総合科学類 情報科学コース2年のみなさん
科学技術高校についてや、科学技術高校で行われている実習や課題研究についての
発表が行われました。発表は変わり交代で行っていましたが、みんな喋るのが速か
ったのか20分ほど時間が余ってしまっていました。良い経験になったでしょうか?
▼Android機に接続したUSBデバイスをリモートコントロールする
フレームワーク・ソフトウェア「Derimo」の開発者トークセミナ
担当:株式会社データ変換研究所
講師:畑中 豊司 氏
Android端末を搭載した機体をAndroidのカメラ機能やセンサを用いて手元にある
コントローラー(タブレット)で遠隔操作ができるものの紹介です。この技術は工場の
可搬モニタになったりするそうで、このような技術が将来実用化されれば、もっと
暮らしが快適になるのでしょうね。
▼オープンソースの統合オフィスソフトLibreOfficeの最新動向
担当:LibreOffice日本語チーム
講師:榎 真治 氏
LibreOfficeの歴史から、今後について詳しいお話が聞けました。
講演に来ている方の多くもLibreOfficeを利用しているようで、
講演後の質疑応答には熱心に手を挙げて質問をされていました。
▼オープンソースソフトウェアの翻訳をやらないか
担当:Doc-ja Archive Project
講師:岡野 孝悌 氏
LinuxディストリビューションのひとつであるUbuntuの日本語化について話して
頂きました。単純に翻訳しただけでは、全く意味が通らない単語になってしまう場合
もあるそうで、その点について、実際にあった事例などを交えて紹介して頂きました。
英語の能力や、特別な技能は必要なく、そのソフトウェアの操作経験があれば誰でも
参加出来るそうなので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
▼アプリ開発を楽にする、Ruby PaaS 「MOGOK」のご紹介
担当:株式会社インターネットイニシアティブ
講師:阿部 博 氏
Rubyプログラマの支援サービス「MOGOK」。Ruby等について少なからず知識が必要
になりますが、これからのRuby開発で多くの恩恵が得られる、そんな雰囲気を感じま
した。
▼NetBSDのご紹介
担当:日本NetBSDユーザーグループ
講師:蛯原 純氏・筒井 氏(筒井氏の発表資料はこちら)
開発者の筒井氏がNetBSDが20周年ということで、これまでの開発の歴史を
お話されていました。また、蛯原氏はOSC開催会場のお店や風景を小冊子に
しており、自分も一部もらうことができました。本当に楽しそうに話をする
蛯原氏を見て、見習っていきたいなと感じました。
そして↓こちらは毎回作成されている観光マップ!
OSC2013徳島観光マップ by 日本NetBSDユーザーグループ
▼MyDNS.JPとPowerDNSの紹介、汎用制御装置GVCでの自宅制御について
担当:Future Versatile Group/MyDNS.JP
講師:T.Kabu 氏
MyDNS.JPの新機能や、内部的な構成など、MyDNS.JPの裏側について話して頂き
ました。またGVC(Global Versatile Controller)という、安価な基盤を用いて自宅
の家電のリモコン信号を取得し、自宅の環境を制御するという試みについても紹介
して頂きました。
Raspberry Piという手乗りサイズPCについて、イギリスから東京に開発者を招いて
イベントを開催するなど、今後も様々な分野で意欲的に活動させていくそうです。
▼オープンソースハードウェアでマイデータセンターを(これから)つくろう
担当:オープンハードカンファレンス 2013 Tokushima
講師:河野 悦昌 氏
白衣の総統閣下による、安価に自宅でデータセンターを作ろうとする試みについての
プレゼンでした。人生のライフログは3TBでBig Dataどころか、Huge Dataだと気を
吐き、TV番組の録画のためにも安価なデータセンター構築を目指しているとのこと。
大阪のJAWS三都と繋いだリアルタイムセッションも楽しかったです。
▼数学ソフトウェアで作るぐるぐる定規
担当:MathLibre Project
講師:濱田 龍義 氏
MathLibre Projectの濱田チーフエディタによる講演。
数式をヴィジュアルに表現する数学ソフトを数点紹介していただきました。
数式だけではイメージしづらいその意味も、グラフやアニメーションになると親しみ
やすくなりますね。欧米ではこういったジャンルの子供向けアプリケーションも多い
そうです。
▼Rubyプログラマーの育て方〜島根大学Rubyプログラミング講座〜
担当:島根大学
講師:高清水 直美 氏
島根でのプログラミング教育の取り組みについての発表。
講座の開始時にすでにプログラミングの習熟度が違うことが多いので、単にプログラ
ミングの技術だけではなく、その取り組み方について評価することがポイントとのこと。
5日間のRubyCampでは高度なゲームを作る猛者も現れるとのことでした。
■展示会場について
展示会場では狭いスペースに各社のブースがぎっしり並んでおり、落ち着いて内容を
見られるという状況ではないくらい全体としては賑わっており、展示会場での質疑応答や
受付フロア付近でも多くの人が歓談するなど、OSSコミュニティの活気を感じました。
■ライトニングトーク&閉会式
声優の五十嵐裕美さんの司会により行われ、今日1番の盛り上がりを見せたライトニングトーク。ネタによる笑いと発表者の方の熱い想いが会場を満たす、ラストを飾るに相応しいものでした。
■懇親会
懇親会は会場近くのホテルで開催し、66名の方が参加されました。
食事は和中のビュッフェ形式で飲み放題という内容。
ここでもライトニングトークが行われました。
恒例のじゃんけん大会の景品では、まつもとゆきひろ氏のサインや声優さんの
サイン入りクリアポスターなどが準備され、大盛り上がりとなりました。
■最後に・・・
OSC事務局の方をはじめ、出展者の皆さま、ご来場いただいた皆さま、
OSC2013 Tokushimaの開催にご協力をいただいたすべての方に感謝いたします。
本当にありがとうございました!